「蓮(ハス)」
2001.08.05記
今月のお題は当はすはなの名の由来となった「蓮(ハス)」です。
それでは始めましょう!
仏教では、蓮の台座に仏様が座っておられる絵をよく見ます。ですから
蓮は仏教のもののように思われがちですが、実はそうではありません。
仏教の源流であるインドのヒンドゥー教では、何万年もの昔から最も神
聖な植物として愛されています。
インドの古い聖典に、創造主がどのようにして宇宙を創造したかが説か
れています。それによると、
・・・・・ 始め宇宙は水だけだった。その水の中から
ハスの葉が浮かび上がり、神が世界を生み出
そうとした時、その水は金色に光輝く千の花弁
のハスを花開かせた。 ・・・・・
このように蓮は原初の水からの最初の創造物であり、そこからあらゆ
るものが生まれてきたわけです。
ヒンドゥーの経典によると、水は女性です。そして蓮華はその女性の
生殖器を象徴していると説いています。女性は子供を産みます。
これは宇宙の本質であり、同じように蓮華は宇宙からあらゆるものを
生み出すのです。
これを指して、ある人は蓮華を「宇宙の扉」と呼んでいます。
これゆえに蓮は古代より神聖視され、ヒンドゥーの神々や仏教の諸
仏諸尊の台座や持ち物として描かれてきたのです。
そして蓮の華で偉大な人物を暗示したり、表現したりもしてきました。
また仏教では、神の純粋性を象徴する蓮華を自分の本質と観ます。
蓮華は汚泥の中から花開きますが、決してその汚泥に染まることなく清らかな華を咲かせます。これ
と同じように、私たちの魂は本来清らかなるものであり、決して煩悩に染まることはないのです。
マントラ(真言)の中にも蓮はよく使われています。マントラはサンスクリット語と云う古代インドの言葉
で伝えられています。
蓮はサンスクリット語で「パドマ Padma」と云いますが、たとえばチベット仏教で有名な「オーム マニ
パドメ− フ−ン」と使われているマントラがあります。これは観自在菩薩に祈る言葉です。
この観音さまも蓮の華から誕生したと云われます。ですからこのマントラの中では「パドメ−」で観音さ
まを表しています。
また、皆さんも八十八ヶ所で唱える「光明真言」の中にも蓮は使われ
ています。これは大日如来の真言であり、総ての仏菩薩に通ずる所の
真言でもあります。
「おん あぼきゃ べいろしゃのう まか ぼだら まに はんどま
じんばら はらばりたや うん」
の中に、先ほどのチベット仏教のマントラとよく似た言葉がありません
か?
そうです!
「マニ パドメ−」=「まに はんどま」ですね。
「まに」とは「宝珠」と呼ばれる玉を意味しますが、このお話しはまたの
機会に譲るとします。
この光明真言で「はんどま」と唱えることにより一切の罪障を消滅して
浄土に生じ、悟りの境地に至ると云われています。これも蓮華の清浄
にして汚れに染まらず、大悲の徳が備わっているゆえんからです。
いかがでしたでしょうか?
今まで何気なく見ていた蓮を、出来ればお寺にある、いろいろなもの
の中に描かれていたり、彫刻されているものをじっくり観て見て下さい!
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| 第21番太龍寺/虚空蔵菩薩 |
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ハスを持ちハスの上に立つ
美と財の女神ラクシュミー |