普 禮(ふらい)
2001.09.06記
- 神さま・仏さまへのご挨拶について -
                 今月は、皆さんが本堂や大師堂などの御前でされている
                「普禮」についてのお話しをしてみましょう。

                 さて皆さんは「普禮」のときにはどのようにされていま
                すか?
                 何にもしない人、ただ頭を下げる人、恭しく頭を下げる
                人などなど、いろいろな方がおられるでしょう。
              
                 私たちは「普禮真言」と云うものを唱えながら礼拝をし
                ます。
                 それは、
                 『 おん さらば たたぎゃた はんな まんなのう 
                  きゃろみ 』
と、唱えながら三度礼拝をするのが基本になります。
 その意味は
『 一切の如来のおみ足を恭しく礼拝することを私はします。』と、云ったよう
なものです。 

 仏法では、最上の礼拝の仕方を「接足作礼」と云います。
 「普禮真言」を唱えながら右膝、左膝、右手、左手、と
順番に地面につけていきます。
(室内であれば畳、床板などに。)
 そしてこのときに『 私は今、仏さまのおみ足を私の頂き
に戴いている。』と観じながら礼拝をするのです。
 これを「五体投地」とも云います。
 テレビなどでご覧になったことがあると思いますが、その
代表的な姿がネパールやチベットなどの巡礼者が、大地に身
を投げ出し這いつくばって礼拝をされているあの姿です。
 
                 インドでは「パッドナマスカール」と云い、聖者の足元
                にひざまずき、そのおみ足を戴きます。この風景はインド
                では珍しいものではなく、当たり前のように行われていま
                す。
                 またそれは、聖者に対してのみ行われるのではなく、自
                分の尊敬をする人物(例えば、ダンスや武術など、自分が
                習い事をしている先生に対しても・・・。)に対しても行
                います。
                 この風景を見て、ある人は『 封建的であり、人種差別
                だ! 』と云われます。でも、本当にそうでしょうか? 
                 日本でも、自分が本当に学びたいことを人に教わるとき
                には、深々と頭を下げてお願いをするではないですか。
 インドでは「パッドナマスカール」がその礼儀なのです。日本人がそれを見れば、まるで
「土下座」のように見えるのです。

 ではインドでは、なぜ聖者たちの足元にひざまずき、そのおみ足を戴くのでしょうか? 
 聖者は「偉大な魂」を持たれています。その「偉大な魂」
は、心を開いて礼拝する者の「怒りや悲しみ、憎しみ、憂
い」と云った、否定性のエネルギーを吸い取って下さるの
です。
 そして聖者はその者に「神の祝福」を与えます。
 どういうことかというと、肯定的な「神のエネルギー」
がその者に注がれるのです。
 
 私たちが本堂の前で、そこに本当に仏さまがいらっしゃる
と信じたならば、仏さまはそこに確かにいらっしゃいます。
しかし本堂の前に立ち『 なんだ、ただの仏像じゃないか!』
と、あなたが考えるならば、そこに仏さまはおられません。
あなたが考える通りに、ただの仏像がそこにあるだけです。
 あなたが信じたものが、そこにあるだけです。

                 「偉大な魂」は、私たちの苦しみを背負って下さる存在
                です。本堂の前で、そこに仏さまを感得したならば、その
                仏さまのおみ足を戴いて下さい。
                 「普禮真言」を唱えることに重視するのではなく、心か
                ら仏さまのおみ足を『わが頂に戴く』喜びを感じながら礼
                拝してみて下さい。
                 きっと、あなたの苦しみを背負って下さり、勇気と智慧
                とを授けて下さいます。
                 そして、勇気と智慧を戴き「道」を切り開けたならば、
                今度は、仏さまが背負っていらっしゃる人々の苦しみを、
                自分も一緒に仏さまと背負って行けるように、恩返しが出
                来るようになりましょう!
供養された「パドゥ−カ」と呼ばれる
聖者の履物(南インドにて)
第17番井戸寺ご本尊 薬師如来
第46番浄瑠璃寺 仏足石
第77番道隆寺 仏足
第46番浄瑠璃寺 仏足石