〜 除災・求福のために 〜
星 ま つ り
2003.01.17記
  新しい年も明けて、早や1月も半ばとなりました。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

  さて、来月にはもう「節分」がやって来ます。お正月が終ったら、神社仏閣は2月3日がまた忙しいので
 す。「厄除け」のためのご祈祷などで賑わいます。今年(平成15年)の厄年の方を列記してみましょう。
   
   女性      前 厄           本 厄           後 厄
         18歳(昭和61年)   19歳(昭和60年)   20歳(昭和59年)
         32歳(昭和47年)   33歳(昭和48年)   34歳(昭和49年)
         36歳(昭和43年)   37歳(昭和42年)   38歳(昭和41年)
         60歳(昭和19年)   61歳(昭和18年)   62歳(昭和17年)

   男性      前 厄           本 厄           後 厄
         24歳(昭和55年)   25歳(昭和54年)   26歳(昭和53年)
         41歳(昭和38年)   42歳(昭和37年)   43歳(昭和36年)
         60歳(昭和19年)   61歳(昭和18年)   62歳(昭和17年)
 
 「厄」についてのお話しは、寺子屋お題の「厄(やく)」、または「開運!(2)」で、おさらいをどうぞ!

                  暦では、「立春」「立夏」「立秋」「立冬」と、季節の節目があります。暦の上で
                 1年の節目は、「立春」の前日である「節分」の日になります。
                  ですから本当は、今年の干支である「未」は「立春」の日から始まるのです。
                 2月3日までは、まだ「午年」ですのでお間違いのないように。
 
                  この「節分」を迎えて、本当の意味でのお正月とします。あなたのお家でも
                 「豆まき」をして、恵方に向いて巻き寿司を食べられるのでしょうか?
                  今年の恵方は「南南東」です。家族全員が揃って一列に並んで正座をし、恵
                 方を向いて一切言葉を出さないで、お寿司を黙々と食べる様子は結構笑える
                 ものがあります。
                  関西・四国では「まるかぶり」と云って、昔から節分の日の「縁起物」または
                 「厄除け」として行われてきました。巻き寿しを使うのは、「福を巻き込む」と云
                 うところからで、縁を切らないために包丁を入れず、丸ごと食べることになった
                 そうです。
                  「縁起」を担がれる方はぜひやって下さい。ちなみに「縁起」とは、「縁を起こ
                 す」です。このようなことを心の底から信じて行えば、今年一年の良い運の
 「縁」を「起こし」たので、必ず大吉の運を招くことが出来るでしょう。

  真言宗では、この「節分」のときに、「星供(ほしく)」と云うものを行います。これは北斗七星や、九執曜
 (きゅうしゅうよう)、十二宮(じゅうにきゅう)、二十八宿(にじゅうはちしゅく)と呼ばれるものなどの天体の
 星々を祭り、お護摩を焚いてご供養をします。これにより災いを取り除き、福を求めることが出来ます。
  私たちはご供養と云うと、仏さまやご先祖さまたちがすぐに思い起こされます。ところが密教では、宇宙
 に実際にある惑星たちをもご供養します。

  これは、私たちが宇宙の星々と共に生きていることを教えて下さって
 います。私たちは、どうあがいても「宇宙の法則」から逃れることが出来
 ません。これは月の満ち欠けにおいて、皆さんも実感することがあるの
 ではないでしょうか。
  海では、潮の満ち潮、引き潮と云うものがありますよね。これはご存
 知のように、月の影響によるものです。そして女性の月一度のものも
 その影響です。
  最近テレビなどで、一般的にもよく知られるようになったのは満月の
 作用です。満月の時は、最高潮に引力が強くなります。月が強く引っぱ
 る力により、潮の満ち潮も高くなってきます。これは、私たちにも同じ現
 象が起きていると云えます。
  私たちの人体も、そのほとんどが水です。人体の60〜80%は水ですから、私たちの体は水そのもの
 と云えるかもしれません。ですから月の強い引力により、海の水が引っ張り上げられるのと同じように、
 私たちの体の中にある水も引っぱり上げられるのです。
  それによって、体が宙に引っぱり上げられてしまうことはありませんが、精神的なものが高揚してきま
 す。
  その高揚してくるものは、人によって違います。怒りや憎しみを心の中に、いつもいつも溜め込んでい
 れば、そのエネルギ−が増大してきます。すると満月の力により、その怒りや憎悪のエネルギーが高揚
 し、引っ張り出されてきます。そしてそれが、事故や人間関係のトラブル、最悪は殺人まで起こしてしまう
 ようになるのです。
  それは非常に衝動的ですから、我を忘れて行動を起こしてしまいます。気が付いたときにはもう遅いの
 です。
  逆に心が、いつも幸せに満ちておれば、満月の力でそれは高揚し引っ張り出されます。そのエネルギー
 はさらに、その人の幸せに感ずることを起こさせていきます。
  ですから密教では(本当は密教だけに限らず、その他の宗教もですが)、満月と新月の日を重要に捉え
 ています。この両日に、特別なご祈祷がよく行われます。これも私たちに、「月」の影響が大きく作用をし
 ていることを示しています。

                  あなたは「占い」と云うものを信じておられるでしょうか? インドではその昔か
                 ら、太陽や月、またその他の惑星の動きから、人間の個人の運命を観ていま
                 した。
                  これを「インド占星術」と云いますが、この的中率は、本当に素晴らしいもの
                 があります。この一部を、空海上人が唐より持ち帰られた数多くのお経の中か
                 ら見ることが出来ます。
                  そのお経の名前は、「文殊師利菩薩及諸仙所説吉凶時日善悪宿曜経」(もん
                 じゅしりぼさつ および しょせん しょせつ きっきょう じじつ ぜんあく すく
                 ようきょう)と云います。何とも長い題名のお経です。
                  それは、「文殊師利菩薩と、その他諸々の聖者たちが、時日の吉凶と宿曜
                 の善悪を説いたもの」と云う意味です。
                  これではあまりにも長いので、普通は「宿曜経」(すくようきょう、又はしゅくよ
                 うきょう)と呼ばれています。
                  「宿曜」とは、「月が泊まる宿」と云う意味です。月は地球の周りを1周すると
                 きに、「白道」(はくどう)と呼ばれる「月の道」を運行していきます。月はその道
                 を、約27日間かけて地球を1周します。そこでこの「月の道」を27等分して、
                 その一つ一つに名前を付けていきました。
                  その名前は、暦にも掲載されていますから一度ご覧になって下さい。暦では
 「二十八宿」ですが、「宿曜占星術」では「牛宿」(ぎゅうしゅく)と呼ばれる宿を除いた「二十七宿」で占いま
 す。この「宿曜占星術」は、「その人が生まれたときに、月がどの宿にいたか」で、その人の運命を占いま
 す。(インドではこのことを「ナクシャトラ」と云います。)
 
  この占星術は、月を中心にして占いますが、その他に「西洋占星術」の12星座と同じ意味を持つ「十二
 宮」(じゅうにきゅう)を加えます。(インドではこれを「ラシ」と云います。)
  太陽が地球を1周する「黄道」(おうどう)と呼ばれる「太陽の道」を12等分したものです。これにより、自
 分が生まれたときに「太陽」がどこに位置していたかで占います。これは、「山羊座」とか「さそり座」とか云
 えば分かるでしょうか?
  これにまた、「七曜」(しちよう)を加えてさらに個人の運命を探っていきます。「七曜」とは、「日曜日、月
 曜日、火曜日・・・」と云うように、何曜日生まれかと云うことです。
 
  それらから、いったい何が分かるのかと云うと、その人の性格や運命はもち
 ろんのこと、その人が気付きもしない心の深い、隠れた部分です。月は、エネ
 ルギーで云えば「陰」になります。
  それは月が、人間の隠れた意識、潜在的な意識を司っていると云えます。 
  そしてもう一つ、人間関係を知ることが出来ます。それは単なる相性占いの
 レベルではなく、「どうやったら、全ての人間が和合していけるか」と云うことを
 教えてくれます。
  いつの世も、問題になるのは人と人の相性です。友達同士なら、氣が合う、
 合わないで済みますが、社会に出るとそうはいきません。上司と部下、近所と
 の付き合い、または恋人同士、家族においては、親類縁者、嫁と姑、親子、配
 偶者などと、数え上げたらきりがありません。
  争うことは簡単ですが、仲良くするのはちと難しいのが世の常です。それを
 上手く切り開いてくれるのが、この占星術の面白さです。
  この「宿曜占星術」についての詳細は、また別の機会に譲りましょう。

  インドでは、本当にたくさんの占い師がいます。宝石店に行けば、必ずそこ
 の店主は「占星術」や「手相」を心得ています。彼らはお客さんの運命を調べたら、その人の災禍を除くた
 めの宝石を用意します。
  密教でも、仏さまがきらびやかな宝石を身に着けているのを見ます。これはただ着飾っているわけでは
 なくて、やはりちゃんとした意味があるのです。
  宝石の種類によっては、天体の惑星からやって来るエネルギーを受け取ることが出来ます。密教の先
 輩たちは、その秘密を暗示するために仏像に宝石を身に着けさせたのでした。
  これを知るインドの占星術師や宝石店では、その人の災禍を除くために必要な、天体のエネルギーを
 受け取ることの出来る宝石を身に着けさせるのです。
                       
                       そしてこの宝石以外の方法で災禍を除くために、インドでも「星供」を
                      行います。これを「ヤッギャ」と云います。
                       「パンディット」と呼ばれる僧侶がこの儀式を執り行います。数人の
                      僧侶によって、次々に天体の神々が招かれご供養されます。皆で真
                      言を唱え、護摩の炎の中に供物を捧げていきます。それは何時間も
                      かけて行われるのです。
                       天体の惑星は常に動いています。その時々で、その惑星が自分に
                      とって吉星にもなるし、凶星にもなります。このときの凶星の影響によ
                      る災禍を除くために、惑星の神さまをご供養するのが「星供」です。

                       天体の星々は、私たちと共に生きています。夜空を見上げると、そ
                      こに宇宙の息づかい、神秘を見ることが出来ます。
                       「星に祈りを・・・」と云われるように、あなたも満月の夜に空を見上げ
                      て祈られてはいかがでしょうか? 

                                   星まつり 〜除災・求福のために 〜  終わり    
第78番・郷照寺
厄除け大師
天空に輝く満月
第31番・竹林寺
文殊師利菩薩
伊予十三仏霊場
火まつり
チベット息災護摩